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横浜市内でも増えている樹木葬とは?

樹木葬の基礎知識や、横浜市内で樹木葬ができる希少な施設を紹介します。

お墓に対する価値観の多様化や墓地用地の不足、少子高齢化による継承者不足などを背景に広まった樹木葬。当初は郊外が中心でしたが、最近では都市部でも多く見られるようになりました。
ここでは、樹木葬の基礎知識やメリット・デメリットのほか、横浜市内で樹木葬ができるおすすめの施設を紹介します。

目次
▶ 樹木葬とは?
▶ 樹木葬の種類と埋葬形態
▶ 樹木葬のメリット
▶ 樹木葬のデメリット
▶ 横浜市内で樹木葬ができるおすすめの施設
▶ 横浜市営墓地メモリアルグリーン
▶ 静林の丘鶴ヶ峰霊園
▶ 横浜港南台霊園
▶ 弥生台墓園 横浜つどいの森
▶ 横浜市営(仮称)舞岡墓園
▶ 横浜市内で樹木葬ができる施設は希少

樹木葬とは?

樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とし遺骨を埋葬するという、比較的新しい供養の方法です。元々は、1999年に岩手県の祥雲寺が始めた、埋葬した遺骨のそばに植樹をしながら山の整備を進めていくという、里山再生の取り組みのひとつでした。
その後、2006年に「横浜市営墓地メモリアルグリーン」で公営霊園初となる樹木葬ができる施設が完成すると、時代背景にマッチした埋葬の形として注目され、首都圏を中心に広まりました。

樹木葬が人気を集めた背景には、少子高齢化や核家族化によるライフスタイルの変化で、お墓に対する価値観が多様化し、「子孫にお墓の管理で負担をかけたくない」と考える方、独り身で跡継ぎがいない方、跡継ぎがいてもお墓の継承が期待できない方が増えたということがあります。
管理者が永代にわたって供養してくれる樹木葬は、基本的に継承を前提としない一代限りの個人墓、夫婦墓であり、時代のニーズに合った埋葬の形だといえるでしょう。

樹木葬の種類と埋葬形態

一口に樹木葬といっても、その種類や埋葬形態はさまざまです。それぞれの特徴を確認し、自身の希望に合った樹木葬がどのようなものなのか考えてみましょう。

樹木葬の種類

樹木葬の種類には、大きく分けて「里山型」「公園型」「ガーデニング型」の3つがあります。

里山型

里山型は、自然の里山を活かして植樹をした樹木のそばに埋葬していく、樹木葬の起源ともいえるタイプです。最終的には墓標も朽ちて自然に還ることや、里山を活かして自然環境を守るという目的への共感もあって、根強い人気を誇ります。
また、個別にシンボルツリーがあるので、自然に還った後も個人を想像しやすいといったメリットもあります。ですが、都心部では樹木葬に適した里山を確保するのが難しいため、里山型のほとんどが郊外のアクセスしにくい山林にあります。お参りをする遺族にとって、負担がかかる点などには注意が必要です。

公園型

公園型は、公園型墓地や霊園など、整備された土地の一画を樹木葬エリアとし、桜やハナミズキ、紅葉などのシンボルツリーのそばに遺骨を収蔵します。シンボルツリーの周辺もきれいに整えられ、霊園全体が公園のようになっています。休憩所やトイレも完備されていますので、誰もが気軽にお参りをすることができます。
里山タイプほど広い土地が必要ないことから、公園型は都心部にも見られます。なお、2012年、都立霊園で初となる樹木葬を手掛けた小平霊園は、この公園型でした。

ガーデニング型

公園型墓地や霊園などの一画に設けられた、よく手入れされた花壇のようなタイプが、ガーデニング型の樹木葬です。公園型よりもさらに小規模であることが多く、主に利用できる土地が限られる都心部で取り入れられています。ガーデンニング型とうたっていても、墓標が一般的な墓石という施設も多いため、樹木を墓標にできるかどうかはきちんと確認したほうがいいでしょう。

樹木葬の埋葬形態

樹木葬の埋葬形態は、「合祀タイプ」「共同埋葬タイプ」「個別埋葬タイプ」の3つに分けられます。

合祀タイプ

遺骨を骨壷や骨袋に入れず、1つの樹木の下に全員分の遺骨を埋葬する形態のことを合祀といいます。個別埋葬タイプと比べて、小さな空間で対応できるため費用は抑えられますが、個人単位・家族単位でお墓参りをすることはできません。他人の遺骨と混じり合うことに抵抗を感じる方も少なくないので、事前に夫婦や家族できちんと話し合うことが大切です。

共同埋葬タイプ

1つの樹木の下に大きなスペースを作り、骨壷や骨袋に入れた遺骨を一つひとつ埋葬していく形態が共同埋葬です。合祀タイプと同様、個人単位・家族単位でお墓参りすることはできませんが、他人の遺骨といっしょになることはありません。

個別埋葬タイプ

個別埋葬では、遺骨を骨壷に入れたまま、個別に設けられた区画に埋葬します。このタイプでは、樹木の下に通常のお墓のような納骨スペースが設けられているのが一般的です。個別埋葬タイプの最大のメリットは、区画がしっかり分かれているので、個人単位・家族単位でお墓を認識したお参りができること。霊園によっては、故人の名前や希望するメッセージなどを小さな墓石や銘板に彫って、墓標にするところもあります。
なお、一定期間が過ぎたら骨壷を取り出して遺骨を合祀する場合も多く、合祀を前提としない里山型では、骨壷から遺骨を出してそのまま埋葬したり、時間の経過とともに土に還る和紙や布などに包んで埋葬したりする場合もあります。

樹木葬のメリット

近年、樹木葬に注目する方が増えているのはそれなりのメリットがあるからです。ここでは、樹木葬の主なメリットを4つご紹介します。

自然に還ることができる

死生観の多様化に伴って、「人は亡くなったらお墓に入るもの」という考え方は一般的とはいえなくなり、「カロート」と呼ばれる納骨室に遺骨を安置するお墓には入りたくないと考える方も増えています。土の中に遺骨が埋葬される樹木葬は、散骨や海洋葬などの自然葬に近く、「自然に還る」という希望に寄り添う埋葬形態といえます。
ただし、霊園などで行っている樹木葬の多くは、骨壷や骨袋に遺骨を入れて埋葬するもので、厳密には土に還るわけではないという点は知っておく必要があります。

従来のように家単位で継承する代々墓に比べて安価である

一般的にお墓を建てる場合には、墓石代と永代使用料、管理料が必要です。
墓石代とは、お墓を構成する基本的な石材一式に加え、香皿や花立などの金物付属品を含んだ費用のことです。また、石の種類や大きさによって費用に幅があり、場合によっては大きな金額を支払うことになります。
樹木葬の場合、この墓石代がかからないため、石のお墓に比べて大幅に費用を抑えることができます。永代使用料と年間管理料はかかりますが、一人ひとりの持ち分となるスペースに比例して安価となることから、費用を圧縮することができます。

ペットといっしょに眠ることができる施設もある

ともに長い年月を暮らしてきたペットは、もはや家族の一員。ペットの存在感が増していく中、死後はいっしょのお墓で眠りたいと考える飼い主が増えています。
ペットを人間とともに埋葬することに法的な決まりはありません。民営霊園では、ペットといっしょに眠れる区画を設けているところもありますが、宗教上の理由からペットの埋葬を禁じている寺院墓地をはじめ、不可としている施設が多いというのが現状です。
一方、樹木葬は新しい施設が多いことから、昨今の利用者の意向に合わせて、ペットといっしょの埋葬を可能とする施設も多く見られるようになってきています。費用も、ペット霊園や一般墓地にペットを埋葬するのに比べて安価です。すべての施設で可能というわけではりませんが、樹木葬はペットといっしょのお墓に眠りたい方にとっても、注目すべき供養方法のひとつといえるでしょう。

子孫に負担をかけずに済む

樹木葬の多くは、子供がいない夫婦や単身者など、お墓を引き継ぐ方がいない場合でも申し込むことができる永代供養墓です。永代使用料、管理料を支払うことによって、霊園・墓地を管理する人が永代にわたってお墓の面倒を見てくれるので、継承者がいなくてもお墓が寂れたり、無縁になったりすることがありません。「離れて住んでいる子孫にお墓のことで面倒をかけたくない」という方にもぴったりです。

樹木葬のデメリット

樹木葬には、メリットだけでなくデメリットもあります。メリットとのバランスを考え、検討の材料にしましょう。

後々、遺骨を取り出すことができない場合がある

樹木葬では、遺骨のまま土に埋葬した場合や、合祀タイプで複数の方の遺骨がいっしょに埋葬されている場合、後々どのような事情があっても遺骨を取り出すことができないとされています。個別埋葬タイプの場合も、一定の期間が過ぎた後は合祀されることが多いので注意が必要です。
埋葬後、「自宅近くの霊園に改葬したい」「別のお墓に移したい」という希望が出る可能性も踏まえ、事前に家族で十分話し合うことが大切です。

お供え物に制限がある施設がある

埋葬が個別埋葬タイプの樹木葬であっても、お供え物が置けない場合があります。これは、スペースが限れられているためで、実際、全体で1つの献花台やお供え置き、線香皿などを共用している施設がほとんどです。
また、樹木葬のシンボルツリーや芝などに勝手にお花を置いたり、植栽を手入れしたりすることはできません。火事のリスクを考えて、ろうそくの使用やお線香をあげることを禁じている施設もあります。何がどこまで許可されているかは施設によって異なるので、家族のニーズを踏まえて検討しましょう。

横浜市内で樹木葬ができるおすすめの施設

続いては、「横浜市で樹木葬を探したい」という方のために、樹木葬が可能なおすすめの施設を5つご紹介します。
なお、樹木葬ができる施設の多くは永年使用の形態をとっていますが、使用期限を設けている施設もあります。

横浜市営墓地メモリアルグリーン

横浜薬大スタジアムがある俣野公園に隣接し、芝生広場、遊戯広場、樹林公園、多目的広場などに囲まれた横浜市営墓地メモリアルグリーン。豊かな自然の中で季節を感じられる場所として、参拝者だけでなく多くの市民に愛されている広大な墓園です。
一般的な樹木葬を希望される方は、ヒメジャラ、クスノキ、ケヤキをシンボルツリーとする「合葬式樹木型納骨施設」を利用することになります。山型となっている区画は、低木、芝、花などで覆われており、骨壷は土中に直接埋蔵されます。お参りは、手前に設けられた献花台で行うことが可能です。
芝生型納骨施設、合葬式慰霊碑型納骨施設も自然を感じることのできる造りとなっていますので、併せて検討してみてもいいでしょう。

<合葬式樹木型納骨施設>
・使用料:14万円/体
・管理料:6万2,850円/体
⇒横浜市営墓地メモリアルグリーンを詳しく見てみましょう。

静林の丘鶴ヶ峰霊園

静林の丘鶴ヶ峰霊園
静林の丘鶴ヶ峰霊園は、自然豊かで開放的な立地にある公園型の墓地です。2016年のリニューアルでは、法要が行える部屋を併設した管理棟が新設されたほか、枝垂れ桜の木をシンボルとした「桜乃樹木葬」をオープン。樹木葬ができる施設として、さらなる注目を集めています。
本霊園は宗旨・宗派不問で、1名から利用でき、生前申込みが可能なので、自分の目でお墓を見て選ぶことができます。なお、本霊園は樹木葬でのペットの埋葬はできませんが、一般墓地では一部、ペットの埋葬が可能な区画があります。

<桜乃樹木葬>
・使用料:38万円/区画
⇒静林の丘鶴ヶ峰霊園を詳しく見てみましょう。

横浜港南台霊園

横浜港南台霊園
横浜港南台霊園は、JR東海道本線をはじめとする4路線・5駅からアクセス可能な好立地ながら、豊かな自然が残る横浜市港南区にある霊園です。園内には、管理棟や売店、法要ができる施設、駐車場も完備されています。
「樹木葬」は2019年に登場。緑豊かな草の上に、モニュメントを設けた合葬タイプのスタンダードな樹木葬で、自然回帰志向のある方、子孫にお墓の負担をかけたくないと考える方などから注目されています。
また、同時期にオープンした「樹木墓」は、専有スペースに洋風墓石を建て、地下の納骨スペースに遺骨を個別に埋葬するタイプ。コンパクトながらも専有スペースを確保できるので、世帯にしばられないお墓を持ちたい方、夫婦だけ、兄弟だけなど少人数での利用を希望する方など、さまざまなニーズに対応できます。樹木葬の意向がありながらも、個別のお墓を持ちたい方に最適です。

<樹木葬>
・使用料:18万円/霊

<樹木墓>
・使用料:80万5,000円
※墓地面積0.66平方メートル、墓石つきの総額
⇒横浜港南台霊園を詳しく見てみましょう。

弥生台墓園 横浜つどいの森

弥生台墓園 横浜つどいの森
弥生台墓園 横浜つどいの森は、保土ヶ谷バイパス「本村IC」から車で約8分、相鉄いずみ野線「弥生台駅」より徒歩約8分と、車、徒歩いずれでのアクセスもしやすい立地とバリアフリー設計が魅力の霊園です。宗教法人浅間寺が管理・運営していますが宗旨・宗派は不問で、継承者がいなくても永続的に管理してもらえる体制のため、安心して利用できます。生前の申込みが可能なので、自身で納得のいくお墓選びが可能です。また、駐車場のほか、休憩場つきの管理棟なども用意されています。
樹木葬墓地は、遺骨を骨袋に入れて専用区画に埋葬する「個別埋葬タイプ」と、遺骨を樹木葬区画の中心にある合祀墓に埋葬する「合祀タイプ」の2つがあり、費用面などニーズに合わせて選ぶことができます。

<個別埋葬タイプ>
・使用料:60万円/区画
※2体まで埋葬可能。3体目以降は1体20万円で合計4体まで埋葬可。

<合祀タイプ>
・使用料:10万円/体
⇒弥生台墓園 横浜つどいの森を詳しく見てみましょう。

横浜市営(仮称)舞岡墓園

横浜市営(仮称)舞岡墓園は、オープンに向けて整備が進む新たな市営霊園です。墓園敷地のうち40%以上が緑地になることが決まっており、霊園の隣には(仮称)舞岡町公園の建設も予定されています。
「合葬式樹木型納骨施設」では、利用者の募集は2区画分を予定しており、各区画にシンボルツリーを植え、周囲の芝生の下に骨壷を埋蔵するタイプの施設になっています。合葬式のため、参拝は共用の献花台の前で行います。
「合葬式樹林型納骨施設」は、樹林の下にカロート(納骨スペース)を設けて遺骨を収蔵するタイプの施設で、合葬式樹木型納骨施設同様、参拝は共用の献花台の前で行います。

※2021年度供用開始予定
⇒横浜市営(仮称)舞岡墓園を詳しく見てみましょう。

横浜市内で樹木葬ができる施設は希少

横浜市は、開発された都市ならではの利便性と、豊かな自然が共存する独特の環境が魅力で、墓地の人気も高い街です。そのような横浜市の墓地の中で、樹木葬は希少。販売が始まったとたんに問い合わせが殺到し、すぐに終了してしまうことも少なくありません。
「横浜市で樹木葬を検討している」「都心から近く、景色の良い所に樹木葬を購入したい」という方は、今回ご紹介した霊園を参考に、まずは問い合わせてみることをおすすめします。


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