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終活…整理編_着物は着るために

ハードル高めな整理のひとつ

 終活で欠かせない『3つの分野』をご存知ですか? 『終活』や『エンディング』という響きはネガティブなイメージがあるために敬遠される方も多くいらっしゃいます。日頃から「他に明るいネーミングはないものだろうか?」と考えていますが…なかなかしっくりくる名前に行き当たりません。人生100年時代ですから、もっとポジティブな表現があればいいですね。

さて『3つの分野』ですが、終活には、“人”、“モノ”、“お金”の3本柱があります。この3つの中で私の得意分野は“モノ”の整理です。高齢者の『片づけ』は、現役世代とは少し異なるところがありますので、このブログで少しずつご紹介したいと思います。実際の片づけは十人十色で個々のライフスタイルなどさまざまな角度から、綿密に判断しなければなりません。これまでの経験から〔総じて〕ハードルが高いと思われる“アイテム”をピックアップしてご紹介してまいります。

今回は“着物”の整理について

 着物は何枚くらいお持ちですか? お好きな方であれば、5枚?それ以上、バッグや草履など小物類も含めますとかなりのボリュームになるのではないでしょうか。代々受け継がれて大切にされている着物もあるでしょう。年齢に合わせて華やかだったり渋めだったり、TPOを考慮したり、季節に合わせての柄選びも重要ですし、一重や絽まで揃えていけば、その総数にきりはありません。私も着物が好きで、子供たちの卒・入学式には着物で出席するようにしています、とは言え必要最小限、自分で管理できる範囲と決めています。

 直近でお手持ちの着物に、袖を通されたのはいつでしょう。テレビCMで「5年着ていなければ……」というのがありますが。いつ袖を通したか?覚えていますか。いざ着物を着る!となると、長襦袢に半襟をつけなくてはなりませんし、小物や足袋や草履など準備が必要です。しばらく着ていなと、帯結びがうまくいかない…ということも。慌ててYouTube動画で結び方を復習したり…(汗)それに慣れない着物と草履での外出は、疲労度がいつも以上になりますよね。くたくたになって帰ってきてからの片づけは、かなりおっくう。着物は、着るのも脱いでからもその取り扱いが大変だ、というのも着物に袖を通さなくなる大きな理由の一つではないでしょうか。

では、着ていない着物はどうすればいいのか? 答えはとても簡単です。

『これから先着るか、着ないか』で、所有するか?しないか?を考えてみることです。(その着物に責任を持てるか持てないか?)

着物は高価ですし、家族の思い入れや思い出があるためになかなか手放すことができない“アイテム”として、整理の中でも“ハードルが高い”と考えます。自分は好きで着ていても、娘や次世代の受け手がそうとは限りません。母娘でも体型も好みも異なりますから、娘が引き受けてくれる、というの選択肢が当たり前ではなくなっているようです。引き継げるとしても、仕立て直しするにはお金が掛かりますから、それなりに予算が必要ということも考えておきましょう。

では、手放そうと決めた着物はどうしたら良いのか? これは「着てくれる人」にプレゼントするのが一番だと感じます。なぜなら、リサイクル業者の見積もりは希望する金額よりはるかに低いですし、“着物に込められた思い”は、全く関係ない(あくまでもお商売)と感じたからです。有名な着物作家や、ブランド物以外は悲しいことに買い叩かれてしまうのが実情でした。高価とされる大島紬の着物さえ例外ではありません。長年タンスにしまっていたために付いた小さなシミ、変色、カビなどでも(素人目には見えない汚れもありました)着物は二束三文(涙)にもならないことがほとんど。それでも買取や査定は〔なんでも買取る業者〕ではなく、着物専門業者に依頼するといいでしょう。知識のない買取業者では、適正な判断ができません。

 茶道を習っていたり、着物をよく着る方でしたら、自然に着物が好きな人とつながっていきます。着ない・着れない着物は、着てくださる方がいらっしゃれば、私は喜んで譲ります。もちろん娘でなくても、親族でなくても。

コミュニケーションが大切

 着ない着物は、そのままにしておくとシミが付いてしまいますし、襟のスナップボタンが劣化して着物を汚してしまうこともあります。メンテナンスには費用がかかります。数年前、母から借りた着物にうっかり食べ汚しを付けてしまい、小さなシミ抜きに約2万円かかりました。そして何より、着物のための収納場所が必要です。捨てるなんてとてもできない“大切な着物は、気力のある元気なうちに自分自身で納得のいく処分に取り組むことをオススメします。今の時代ネットで簡単に連絡が取れますので、家族や親戚、友人とSNSを通じて「私の着物着てくれない?」、「◯◯の成人式に振袖を貸して欲しい」など日頃からコミュニケーションが取れていると良いですね。

 コロナで自粛期間中に「娘の成人式の振り袖どうしよう。たくさん送られてくる呉服屋さんのDMを見て試着に行ったんだけど、気に入る古典柄がなかなか見つからない」と、友人に何気なく話(オンラインで)をしました。すると「私の成人式に仕立てて、娘が着て、もう処分するつもりだった。もし気に入れば着てね」と言って送ってきてくれた画像を見たら…(嬉)娘が好きな紫の、そして古典柄の美しい振り袖でした。友人と娘さん、そしてうちの娘…合計3回ほど袖を通すだけなんて、もったいない限りです。成人式には、着物を着て出席したいけれど、どちらの娘たちも「着物は要らない」と、全く興味を示しません。所有する意味や価値を見出せないのでしょう。年齢を重ねたら、考えは変わるかもしれませんが。

まとめ

「着物は、袖を通して“着る”ためのモノ」です。着ることによって、初めてその価値が生まれるものではないでしょうか。 着ることによってポジティブな気持ちになれれば「着物」も「所有する人」も幸せです。タンスにしまっているだけでは所有の意味がほとんどありません。年齢を重ねていくと、管理すること自体が難しくなってきます。これから先「この着物を着て出かけよう」とイメージできるかどうか。秋の天気のいい日に虫干しがてら、すべての着物を出して見直してみてはいかがでしょう。

ポイント

⭐︎これから先着るイメージが持てるか?イメージできたら着るのか?
⭐︎「着ない」と判断できたら1.喜んで着てくれる方に譲る2.専門買取業者に査定買取を依頼する
※売買できるサイトもあります。その場合は投稿、梱包・発送などその手間も考慮しましょう。

© 2020 澤渡裕子