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年末は普段なかなか手をつけられない場所を「整理」をしましょう。

「整理」(片づけ)と「掃除」の違いをご存知でしょうか?
これ、混同してしまう方が意外に多いのです。「整理収納」を理論的に(学問として)学ぶ前は私もそうでした。では何がどう違うのでしょうか?
「掃除」は、ホコリや汚れを取り除くこと。こちらは掃除機をかけたり、キッチンの油汚れを拭き取ったりすることです。そして「整理」は、必要のないモノを取り除いて「使いやすく」することです。目的が全く“異なり”ます。

「大掃除」は、汚れを取るだけではもったいない

年末は普段なかなか手をつけられない場所を「整理」をしましょう。

年末になると多くの人が、「大掃除をして、家の中をきれいにしてから新年を迎えたい」という気持ちになります。今年の大掃除は、同時に「整理」(片づけ)を取り入れてみてはいかがでしょうか? スッキリするのはもちろんですが「暮らしの質向上」が期待されますので、ぜひおうち時間にぜひチャレンジしていただきたいと思います。

モノの整理で、私が手初めに行う場所としてオススメしたいのは「げた箱」の片づけです。なぜならアイテム数が比較的少なく手順を理解しやすいからです。それに「家族の幸せは玄関から入ってくる」という風水の考えや、「玄関はその家の顔」ですから常にきれいにしておきたい場所と言えるでしょう。アイテム数の多いキッチンなどは「ややハードルが高いため」ある程度慣れてから、着手するといいでしょう。

玄関をスッキリ整えて、新しい年を迎えましょう

年末は普段なかなか手をつけられない場所を「整理」をしましょう。

なるべくお天気の良い日を選んで、時間に余裕を持って家族みんなで行いましょう。
※このコラムでは「靴」に特化して説明します。

準備するモノ

1.ゴミ袋(お住いの自治体のルールに合わせる)
2.軍手
3.古新聞紙やビニールシート
4.ぞうきん
5.ほうきなど

手順

1.「げた箱」に入っているものを全て出す

この作業を省いては「整理」は成功しません。年末の寒い時期ですが、思い切って全部出しましょう。一軒家はお庭や庭先に、マンションや集合住宅の方は、通路やベランダを使います。

A.空っぽになった「げた箱」の掃除をする。

何も入っていないので、掃除がしやすいですよ。棚板の砂や泥をスッキリキレイに掃除します。できればこの時、玄関にあるもの全て出せるのが理想です。

年末は普段なかなか手をつけられない場所を「整理」をしましょう。
2.家族の靴で分ける

古新聞の上に、家族ごとに仕分けします。4人家族なら、4つの山ができあがります。

3.「整理」する自身の「靴」から着手する

2で家族ごとに分けた中の「自分」の「靴」からスタートします。「自分」のモノは「自分」で行うのが鉄則です。

4.①履いている ②履いていない ③履いていないが捨てられないの3つの山に分ける

自身の「靴」を上記3つに分けます。①は「必要な靴」です。ここでのポイントは“履いている”と“履ける”靴は違う!ということ。“履ける”靴は、潜在的な履かない理由が潜んでいます。「ブランド靴で高かったから…、まだキレイだから」と取っておいてもその靴の占有面積が無駄ですし、劣化が進みます。それに履いている靴を取り出しにくくして、「日常の外出の妨げになる」ということを意識してみると良いでしょう。そしてなによりも「その靴は、あなたを外に連れ出してくれない」のです。「会いたい人には会いに行けない、行きたい場所に行けない」。“本来の役割を果たしていない”「靴」を所有する意味があるかどうか?とじっくり考えてみましょう。

②は「不必要な靴」。ちょっと指が当たって痛い、しばらく歩くと疲れる・靴ズレする、破れいている、使用感が出ている、派手すぎて年齢に合わなくなった…さまざまな理由から履かなくなった靴は②に分類し手放します。まだキレイな②の靴はリサイクルショップに売る、メルカリなどに出品するなどしてみてはいかがでしょう?

本来ならば③は設けない方が、モノを手放すには良いのですが、その時は「踏ん切りがつかない」と迷うこともありますので、段ボールを用意して一定期間保管します。「半年先に見直す」ことがいいとされています。そのダンボールに半年後の年月日を記入し、日にちが見えるように物置(別の場所)などで保管します。半年後に箱を開けて、その「靴」を履いて出かける具体的なイメージができるか?をポイントにして手放すかどうか?を見直します。「あそこに履いていきたい」とはっきりとイメージができれば、①の「必要な靴」として格上げし「げた箱」に戻しましょう。

5.家族の「靴」も4と同じように3つの山に分ける。

自分以外の「靴」は、所有者自身に判断してもらいましょう。家族の「靴」は、それぞれが同じように3つに分類します。「勝手に捨てた!」と言われては身内でもトラブルの元です。所有することに責任を持つ!という意味もしっかり認識してもらうためにも、自身が行うことが大切です。「お母さん、あの靴どうした?なんで捨てちゃったの?」と責められてはたまりません。「整理」は「ハッピー」になるひとつの手段ですから、もめごとは避けたいものです。

6.家族の身長や使いやすさ、使用頻度で使いやすく「げた箱」に戻す
年末は普段なかなか手をつけられない場所を「整理」をしましょう。

背の高い家族の「靴」は取りやすい範囲で上の方に。季節の「靴」(サンダルやブーツ)は、使わない季節は、倉庫など別の場所で保管することを検討しましょう。「げた箱」の収納面積を10と考えたら、その8に「靴」を収めるようにします。将来的にも2には収納しません。この「空きスペース」があることで「靴」の出し入れ、メンテンス、そしてコーディネートするにも、良い効果があります。不必要なモノを取り除いて、そして季節のアイテムを別の場所で保管すれば、日々の「外出」が格段に楽になるでしょう。

B.「靴」を戻す際、汚れを落とす

「げた箱」をキレイしたら、「靴」もいっしょにメンテナンスしておきましょう。会社や学校…外出先から「我が家」に帰ってくると、ほっとします。革靴のメンテナンスを帰宅したその時にできるのが理想ですが、疲れて帰ってきたらなかなかそうはいきませんよね。日ごろおろそかになりがちな「靴のメンテナンス」を合わせて行うと新年はキレイな靴で、初詣にお参りに行けます。

まとめ

数字の1~6に関しては「整理」、英字は「掃除」に該当します。知らず知らずのうちに「整理」と「掃除」をミックスして家の中をキレイにしている方がほとんどでしょう。ただ、「中のモノを全部出す」という作業までは、手が回らなかったのではないでしょうか?全部出すことによって、ご自身がどれほど「所有」しているか?そして…「不要なモノ」を処分できていないかを、客観的に捉えることができるのです。年末の「大掃除」は、特に「整理」×「掃除」で、汚れを取る、そして「毎日の暮らし」のワンランクアップをめざしましょう。

玄関を「整えて」から、門松やしめ縄飾りで年神さまをお迎えしましょう。コロナ禍だからこそ新しい年は、“気持ち”もスッキリ晴れやかに迎えたいですね。© 2020 澤渡裕子