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樹木葬とは?気になる費用や購入の流れを解説

樹木葬とは?気になる費用やその流れを解説

樹木葬とは、どんなお墓?

近年、雑誌やテレビ番組などで終活情報が取り上げられる機会が増え、「樹木葬(じゅもくそう)」という言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
自然志向で、明るく、自由。そんな漠然としたイメージはあるものの、詳しい仕組みや埋葬方法まではご存知ない方がほとんどです。
樹木葬とは一体どんなお墓なのか、普通のお墓とはどう違うのか、詳しく知っておきましょう。

目次
▶ 樹木葬の3つの特徴
▶ 話題を集めている樹木葬
▶ 樹木葬にかかる費用
▶ 樹木葬の価格に違いがあるのはなぜ?
▶ 樹木葬の申し込みから埋葬までの流れ
▶ 樹木葬での埋葬方法
▶ 樹木葬を選ぶ時に気をつけるポイント

樹木葬の3つの特徴

特徴1/樹木をシンボルとしたお墓

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木をシンボルとするお墓です。
桜や紅葉、ハナミズキなどのシンボルツリーの周りに遺骨が埋葬されます。
樹木葬と一口に言ってもそのスタイルは様々で、樹木ではなく草花や芝生で彩られたガーデン風のものなどもあります。

特徴2/継承を必要としない個人供養

樹木葬は基本的に、後継ぎを必要としない永代供養(えいだいくよう)です。
お一人様や、ご夫婦などで利用するケースがほとんどです。
お墓探しの際には、同じく永代供養タイプの納骨堂や合祀墓(ごうしぼ)などと比較検討されることが多いようです。
⇒永代供養墓について詳しくはこちら

特徴3/安価な供養方法

樹木葬は、コンパクトでシンプルなかたちのお墓です。
ご遺骨を埋葬するだけの小さなスペースで済むため、一般的なお墓よりも費用が安く抑えられます。

これらの特徴が、現代社会に生きる人々のお墓に対するニーズとマッチしているため、大きな注目を集めているのです。

話題を集めている樹木葬

樹木葬はまだ歴史の浅い供養スタイルですが、公共・民間を問わず続々と整備が進んでおり、急速な広がりを見せています。
日本初の樹木葬は、1999年に岩手県の寺院 大慈山祥雲寺(現:長倉山 知勝院)によって栗駒山山麓につくられたのが始まりで、ご遺骨のそばに低木類の樹木を植えていき、里山の緑化再生を兼ねたものでした。
現在、各地で広まっている樹木葬は、墓標となる樹木(シンボルツリー)を1本植えて、その周囲にご遺骨を埋葬するスタイルがほとんどです。

民間の代表的な樹木葬

お寺や霊園の片隅に樹木葬のスペースが設けられている場合がほとんどです。

静林の丘 鶴ヶ峰霊園
所在地:神奈川県横浜市旭区今川町
桜乃樹木葬(さくらのじゅもくそう)総額:38万円より(税込)
シンボルツリーに枝垂れ桜が植えられている樹木葬。
静林の丘 鶴ヶ峰霊園 桜乃樹木葬

鎌倉やすらぎの杜 ふれあいの碑
所在地:神奈川県鎌倉市浄明寺
樹木葬 菩提樹(ぼだいじゅ):総額:48.23万円より(税込)
苔や自然石が配された、風情を感じる日本庭園風の樹木葬。
鎌倉やすらぎの杜 ふれあいの碑 樹木葬 菩提樹
樹木葬 凛(りん):総額:58.23万円より(税込)
バラをはじめとする花々で彩られた洋風の樹木葬。
鎌倉やすらぎの杜 ふれあいの碑 樹木葬 凛

公営の代表的な樹木葬

2006年 神奈川県横浜市の霊園「横浜市営メモリアルグリーン」にオープンした樹木型墓地が、日本で初めての公営の樹木葬です。
その後、人口が多く墓地不足が懸念されている都市部を中心に、自治体による樹木葬が増え始めています。

横浜市営メモリアルグリーン
所在地:神奈川県横浜市戸塚区俣野町
2006年に日本初の公営樹木葬が開設されて以降、大変な人気を集め、2013年にはすべての使用者が決まりましが、2023年に10年ぶりの募集が行われます。

2013年 募集状況募集数 計応募数 計申込倍率
樹木型納骨施設2592,592約10倍
横浜市営メモリアルグリーン 樹木型納骨施設

都立小平霊園
所在地:東京都東村山市萩山町
2012年に都立霊園で初めての樹林墓地が誕生し、話題を集めました。初年度の募集では申込が殺到し、約16.3倍もの高倍率となりました。

2022年 募集状況募集数 計応募数 計申込倍率
樹木型合葬埋蔵施設(樹木墓地)300512約1.7倍
都立小平霊園 樹木葬

公営 稲城・府中メモリアルパーク
東京都稲城市矢野口
2015年に稲城市と府中市の2市合同によって新設された霊園。一般墓地や芝生墓地のほか、樹林式墓地も整備されました。

2022年 募集状況募集数 計応募数 計申込倍率
樹木式墓地228104抽選なし
公営 稲城・府中メモリアルパーク 樹木式墓地
⇒そのほか全国の樹木葬一覧はこちら

樹木葬にかかる費用

樹木葬は、一般的なお墓にくらべて安価な費用で埋葬をすることができますが、基本的には1名あたりの価格ですので、埋葬する人数分の費用がかかります。
安価ではありますが、利用人数が増えていくと逆に割高になるケースもあります。
家族全員で利用するお墓をお探しであれば、一般的な墓地のほうが費用が安くつくかもしれません。

費用の内訳相場
永代使用料約5~200万円
埋葬料数万円
※使用料に含む場合もあります。
銘板彫刻代数万円
石板にお名前を彫刻するオプション費用です。
※使用料に含む場合もあります。
年間管理料なし
※生前の間や、一定期間のみ管理料がかかる場合もあります。

一般的なお墓と比べて、樹木葬が安価な理由。

・狭いスペースに遺骨を埋葬することができるため、使用料が安い。
・個別の墓石を建立する必要がなく、墓石工事代がかからない。
・継承を前提としていないので、墓所購入後の維持費がかからない。
(管理料が事前一括納入の場合もあります)

⇒一般的なお墓の購入費用の内訳について詳しくはこちら

樹木葬の価格に違いがあるのはなぜ?

お墓の立地による永代使用料の違い

墓地代にあたる永代使用料(えいだいしようりょう)は、地価による価格の影響を受けます。
埋葬スペースの狭い樹木葬であっても、都心の一等地や、交通アクセスの良い場所は使用料が高くなります。

埋葬方法の違い

樹木葬の埋葬方法、供養プランによって費用感は異なります。
ご遺骨を骨壺から取り出して他人の遺骨と一緒に埋葬する「合祀(ごうし)」タイプは、安価な費用で利用することができます。
個別埋葬するタイプの場合は、個別のスペースを確保する分の使用料がかかります。利用期間中の管理料がかかる場合もあります。
各プランの仕組みは永代供養墓や納骨堂などと同じで、墓所によって多岐に渡っています。
詳しくはこちらもご覧ください。
⇒永代供養にかかる費用と相場

お墓のデザインによる費用の違い

「樹木葬」と一口に言ってもその仕様は様々あり、お墓の仕様やプランによって費用に違いがでます。
シンプルなつくりのお墓は価格もシンプルですが、例えばお名前を刻む銘板が付いていたり、個別の小さな石碑が添えられる仕様の場合は、その分の費用がプラスされます。
個別の「自分のお墓」としての占有スペースや意匠が増えるほど、料金はその分かかります。

樹木葬の申し込みから埋葬までの流れ

申し込みの流れ

樹木葬は、生前にご自身の眠るお墓として契約できますので、自ら気に入ったものを選び、準備することができます。
申し込みまでの流れは一般的な墓地契約と同じです。
墓石の建立がない分、墓石契約のステップが省かれるかたちです。
⇒参考:一般的なお墓の購入手順

(1)樹木葬の情報収集
墓地を数多く取り扱っている石材店であれば、樹木葬もお墓の一種として紹介してくれます。
自宅からの距離や、価格など、希望条件に近いものがあればパンフレットを取り寄せて検討しましょう。
⇒全国の樹木葬情報・資料請求・見学予約はこちら
(2)現地見学
見学予約を入れた上で現地へ下見に行きます。
雰囲気、周辺環境、供養プラン、交通アクセスなどを確認し、分からないことは係員の方に質問して解決しておきましょう。
(3)契約・入金
樹木葬が気に入ったら申し込みを行い、費用を納めてください。
現地見学当日に即決せずとも、ゆっくりと検討して問題ありません。
(4)使用許可証の交付
入金が確認されると使用許可証が発行され、樹木葬の使用者として認められます。

埋葬の流れ

(1)役所に死亡届を提出
死亡届が受理されると、火葬許可証が発行されます。
(2)ご遺体を火葬する
火葬場に火葬許可証を提出し、ご遺体を火葬します。その後に火葬場から返却される書類が埋葬許可証となります。
(3)樹木葬の管理者に埋葬許可証を提出
埋葬の日取りを確認し、当日にご遺骨を持参します。
墓所の埋葬方法によっては、事前に粉骨(ご遺骨をパウダー状に砕くこと)をしておく必要があります。

※既にご遺骨をお持ちの場合は(3)のみとなります。
※既存のお墓からのご遺骨のお引越し(改葬)をする場合は、埋葬許可証の代わりに改葬許可証などの書類や手続きが必要になります。
⇒関連コラム:お悩み解決! お墓の引越しの手順や手続きを徹底解説

樹木葬での埋葬方法

樹木葬というと、その言葉の響きから「自然に還る」というイメージを持ちますが、ご遺骨を自然の中に撒いて散骨(さんこつ)をする訳ではありません。
遺骨の埋葬に関することは「墓地、埋葬に関する法律」という法律が国によって定められており、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に行ってはならない。」と決められています。
つまり、遺骨は自治体から許可を受けた墓地内にしか埋葬できないので、好き勝手に自宅の庭や近隣の山などへ埋めることはできないのです。
法律的にグレーゾーンであると言われている散骨行為と同一視されがちですが、樹木葬はあくまでお墓の一種です。
法的に許可を得た墓地内の区画を購入し、その区画に遺骨を埋葬します。
難しく考える必要はなく、一般的なお墓との違いは “お墓のかたちが石ではなく樹木である” とだけ考えると分かりやすいでしょう。
自治体への手続きや、必要書類なども、通常のお墓への埋葬と変わりありません。

ご遺骨の埋葬方法

ご利用になる樹木葬によって、埋葬方法は異なります。
詳しく説明を受け、納得できるものを選びましょう。

(1)合祀タイプ
骨壺からご遺骨を取り出し、他人の遺骨と一緒にまとめて埋葬する方法です。
⇒詳しくはこちら「合祀とは?合葬とは?その埋葬方法と費用」

(2)共同埋葬タイプ
ご遺骨をひとつの大きなスペースに埋葬します。
ご遺骨は骨壺や骨袋などに入った状態ですので、他人の遺骨と一緒にはなりません。

(3)個別埋葬タイプ
ご遺骨を骨壺や骨袋などに入れ、個々の区画に埋葬します。

埋葬する際に通常の骨壺のままではなく、ご遺骨をパウダー状に粉骨(ふんこつ)して専用の小さな容器や、木綿等でできた骨袋などに移し替える場合があります。
樹木葬の埋葬方法

樹木葬を選ぶ時に気をつけるポイント

自分でガーデニングをすることはできない

樹木や芝などは、基本的に墓所の管理者によって手入れが行われます。
自宅の庭のように自分で草花を植え替えたり、自由に土をいじることはできません。

年月と共に変化する景観

あたりまえのことですが、樹木は自然のものですので樹齢があります。
歳月とともに樹木の成長を見守る楽しみがある反面、気候の影響で花や葉が少なかったり、枯れたりすることも考えられますので、5年後10年後までイメージ通りという訳にはいきません。

やや漠然とした印象のお墓参り

一般的なお墓であれば、墓石を通じて故人に話しかけたり、手を合わせたりすることができますが、樹木葬の場合は個々のお墓ではなく、樹木葬全体に向かってお墓参りをするかたちになります。
どこに埋葬されいるかが見た目に分かりにくいため、お墓参りをした実感を得にくい場合があります。
また、埋葬されている場所とは別に共用の参拝スペースが設けられている墓所も多くあります。

周囲の理解が大事

樹木葬についてまだしっかりと世間に認知が浸透していないため、樹木葬がどのようなものであるかをちゃんとご存知の方はまだ少ないのが現状です。
たとえ故人が樹木葬を希望していたとしても、ご家族や親族から反発を受けるケースもあります。
樹木葬についてしっかりと学び、一般的なお墓との違いを説明しながら周囲のご家族の理解を得てお墓選びを進めることが大切です。

⇒関連コラム:永代供養にかかる費用と相場
⇒永代供養・納骨堂・樹木葬のお墓をお探しの方はこちら

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※本ページで紹介している樹木葬の仕様や相場は、あくまで一般的な例です。移りゆく現代社会のニーズに合わせて、多種多様な供養プランがあります。
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