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生前整理のやり方と注意点

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生前整理のやり方と注意点

生前整理とは?
具体的な生前整理のやり方と注意点。

自分の死後に備えて財産や持ち物を整理する「生前整理」。
最近では「終活」が一般化してきたこともあり、生前整理を行う人が増えています。
今回は、「生前整理とは何か?」という基本的な知識から、具体的な進め方、注意点などを包括的に解説します。
目次
▶ 元気なうちに自身の財産を整理する「生前整理」
▶ 生前整理のメリット
▶ 生前整理の注意点
▶ 生前整理のやり方
▶ 生前整理に合わせてしておくと便利なこと
▶ 生前整理は、気力・体力・判断力が充実しているうちに

元気なうちに自身の財産を整理する「生前整理」

生前整理とは、不要な物を減らして快適な老後を送るために、元気なうちに自身の財産を整理することです。
生前整理と聞くと、資産家が行うものと考える人もいるかもしれません。しかし、最近では少子高齢化の進行とともに、「子供や孫に遺産整理で迷惑をかけたくない」と考える人が増え、終活の一環として生前整理が行われるようになりました。
また、2010年の流行語にもなった「断捨離」や、極力持ち物を減らしてシンプルな生活を目指す「ミニマリスト」などの考え方にも近いことから、終活とはまだ縁遠いように思われる30代、40代の若い世代にも、生前整理をする人が出てきています。

生前整理のメリット

生前整理には、大きく2つのメリットがあります。

遺族の負担軽減

人は年を重ねるほど、家具、家電、衣類、食器といった持ち物が増えていきます。そして多くの場合、所持品の価値は持ち主にしかわかりません。もしものことがあったとき、家の中が物であふれていたら、遺族は遺品整理に膨大な時間と手間を費やすことになってしまうでしょう。
また、不用品と判断して処分した後で「大切な人が遺していった物を捨ててしまって良かったのか」「本当は取っておくべきだったのではないか」という、心の痛みを抱え続けなくてはなりません。
ですから、自分が元気なうちに不要な物を処分したり譲ったりして物を減らしておくことは、遺族の時間的・精神的な負担を大幅に軽減してあげることになるのです。
また、値打ちのある装飾品などをお持ちの場合、死後に遺品の分配をめぐって親族が争う可能性があります。生前整理には、相続をスムーズにし、無用なトラブルを防ぐ効果も期待できるのです。

自分自身のためになる

所持品を整理しないまま最期の時を迎えると、本来、形見として家族に渡したかった物が処分されてしまったり、別の人に渡ってしまうかもしれません。
また、家族に見られたくないものや、人に知られたくなかったプライベートな事柄を知られてしまう可能性もあります。大切な人にきちんと感謝の気持ちを残したり、最後まで自尊心を守り通したりするためにも、生前整理は有効なのです。
生前整理をするためには、必ず「自分にとっての理想的な最期」について考えなくてはなりません。このことは、「今をどう生きるか」を考えることにもつながります。生前整理は、死後のためだけでなく、今の人生を充実させることにもつながるのです。
また、生前整理をするときには、「理想の最期に向かって、自分がこれから生きていくために欠かせない物だけを残す」と考えて仕分けますので、不要な物がはっきりと見えてきます。自分がこれまで執着していた物が「実はまったく必要のない物だった」と思い直すこともあるでしょう。生前整理をすることで物が減り、生活が快適になることもメリットといえます。
生前整理のメリット

生前整理の注意点

生前整理を行う上で大切なことは、一度にすべての持ち物を整理しようと思わないことです。
「処分する物」「利用する物」「人に譲渡する物」と仕分けていけば、時間がかかっても当然です。
「早く終わらせたいから」「普段使っていない物はどうせいらない物だから」と深く考えずに物を捨ててしまうと、生前整理を終えてから後悔することになりかねません。万が一、書類の束を「不必要そうだから」という理由でまとめて捨ててしまい、その中に土地や建物の権利書といった重要な書類が入っていたら大変です。
また、あれもこれもと手をつけすぎて、生前整理そのものがご自身の負担になってしまう場合もあるでしょう。部屋ごとや用途ごとなどに分け、じっくり時間をかけて仕分けをし、焦らず丁寧に進めていくことをおすすめします。
生前整理は焦らずゆっくりと

生前整理のやり方

では、生前整理はどのように進めていけばいいのでしょうか。順を追って見ていきましょう。

1. 「いる物」と「いらない物」に分ける

まずは所有物を、大まかに「いる物」と「いらない物」に分類します。「今使っている物」がいる物であり、「今は使っていない物」や「いつか使うかもしれない物」がいらない物と考えるとスムーズです。
アルバムや、亡くなった伴侶の洋服といった「使わないが、手放すのはしのびない」「滅多に使わないが、思い出が詰まっていて捨てられない」という品物は、写真に撮ってデータとして記録し、思い切って処分することもひとつの手です。
また、自分はいらいない物だと思っても、家族から「いらないならちょうだい」と声がかかるものもあるでしょう。急いで処分せずに、家族と相談をしながら整理していきましょう。

2. いらない物を「不用品」と「不要品」に分類する

「いらない物」は、壊れていたりして品物としてまったく価値がない「不用品」と、自分にとっては不要でも第三者にとっては価値がある「不要品」に分けられます。
前者はごみに出すなど、自治体の決まりに沿って処分しましょう。後者は、リサイクルショップやフリーマーケットなどで売ったり、寄付や譲渡をしたりというかたちで、リサイクルをすることができます。

生前整理に合わせてしておくと便利なこと

生前整理は、基本的に物の取捨選択ですが、整理するついでにやっておけば便利なこともあります。
例えば、「財産目録」の作成です。持ち物の中には価値のある財産もあります。これらは生前整理で取捨選択するものではないので、目録にして残しておく程度でいいでしょう。
財産とは、経済的な価値があり、お金に換えられる物すべてを指します。一般家庭における価値がある財産として考えられるのは、おもに以下のようなものとなります。
リストアップしたら、場所を決めて保管します。保管場所はエンディングノートなどに記入して、遺族にわかるようにしておくと、相続の際に便利です。

・預金や現金など
・株式、手形、国債、社債、小切手などの有価証券
・家屋や土地
・家具
・貴金属
・骨董品
・自動車

なお、財産の中には、マイナスの財産も含まれます。遺族はマイナスの財産も相続しなければなりませんから、借金や未払金なども財産の一部として忘れずに記載しましょう。

【参考】 エンディングノートの書き方について詳しくはこちら

生前整理は、気力・体力・判断力が充実しているうちに

愛着のある物を思い切って手放す生前整理は、根気強く片付けを続ける気力と、大量の荷物を運んだり処分したりする体力が必要です。
また「元気なうちから老後や死後について考えるなんて縁起が悪い」という人もいるかもしれません。しかし、気力や体力、判断力が衰えてくると、大量の荷物を仕分けるのは非常に困難になります。「退職」や「子供の独立」「引越し」といったライフイベントをきっかけに、少しずつ生前整理を進めていったほうがいいでしょう。

もし、自分一人ではなかなか片付かないという場合、専門の業者に依頼し、仕分けから地域の規定に沿った処分まで代行してもらうことが可能です。ただし、中には悪質な業者や古物商の許可を取っていない業者もいるようです。見積もりを依頼した際の対応や、ウェブサイトなどをしっかり確認してから依頼するようにしましょう。

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